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SOP研修報告【福島】群馬

  • 研修関連
  • 2018.03.26|福島直人

研修時期:2017.9.14~9.17
研修場所:群馬県(太田市、富岡市など)

今回の研修は短期間ということもあり、近場で最近気になっている建築や町を訪れたいと考えました。近年、群馬県では多くの現代建築がつくられていますが、その一方で歴史的な遺構も共存しています。地方の都市で、新しい建築が地域とどのように繋がり根付いているのか、新たな体験に期待しながら研修へ向かいました。

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太田市美術館・図書館
郊外のまち特有のどこか長閑な雰囲気の中、駅前に建つ歪な白色の塊。外観に少し違和感を覚えながらも、内部に入ると多様な空間の繋がりに驚かされました。丘を歩くように連続する緩やかな空間は、各所に心地よい居場所と賑わいを創出しています。

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富岡市新庁舎
軽やかな屋根のかかる駅舎から、富岡製糸場への道中に立地する場所性。雁行配置と勾配屋根がつくる庭とまちへの構えは、従来の庁舎のイメージとは異なります。隣地の旧庁舎の解体工事が行われている中、設計の意図を感じながら最終形に思いを馳せました。

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ハラ・ミュージアム・アーク
東京品川にある現代アートの美術館、原美術館の分館が石段街で有名な伊香保にあります。黒色で統一された杉板下見張りの壁面は、光の陰影を写し込み、深いコントラストをつくっています。縁側のような廊下の水平連続開口から滲む光に、陰影の効果や美しさを再認識しました。

研修を通して、それぞれのコンテクストに対する解答に設計者の多様な意図を感じました。ときに新しい視座や発想の転換が良い結果に繋がることもありますが、そこには単にデザイン・機能性だけではない、普遍的な価値が伴っているように思います。丁寧に地霊を汲み取るように、より良い未来へのきっかけとなるような建築に、強く惹かれます。この経験を今後の設計へのどう活かすか、思いを巡らせた4日間でした。