プロジェクト

二本松市城山市民プール

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風景に呼応する市民に開かれた公共施設

本計画は、東日本大震災による放射能汚染の影響で子どもたちの屋外活動が制限を受けている状況から、全ての市民が安全・安心に健康増進を図ることができる屋内プールを整備するものです。

 

計画地は二本松市の霞ヶ城公園運動施設区の一角にあり、二本松城跡周辺の歴史景観地区に隣接しています。この場所に屋内市民プールを計画するにあたり、「二本松城址」を設計におけるイメージの拠りどころとして、周辺環境に調和したデザインを目指しました。段差がある敷地形状を最大限活かした計画とし、市民が気軽に立ち寄れる場所として、周囲の風景と調和した植栽や広場を整備することで、公園のような空間として施設全体をデザインしています。

 

建物は、平面及び断面的に不整形で複雑な地形と馴染んだデザインとし、周辺環境と一体感のある屋根形状としました。外壁は透明感がありながら、内外の視線や熱負荷低減に配慮したストライプ状のスクリーンになっています。構造的には、鉄骨造の外殻に木造小屋組を下地とする屋根を被せた「プール棟」、鉄筋コンクリート造(半地下)と鉄骨造(地上部)による架構の「エントランス棟」で構成されたハイブリッドな混構造としています。規模的に耐火建築物に該当し、通常は主要構造部に木材を使用することはできませんが、全国的にも事例の少ない「耐火性能検証法」により技術的基準の適合を行うことで、プール空間の屋根梁の木造化を実現しています。

 

迫力ある木構造現しのプール空間は、建物内エントランスから見渡すことができ、期待感を演出するダイナミックな空間構成となっています。組木細工にも似た天井からは木漏れ日のように光が落ち、木材の温かみも感じることができます。また、落ち着いた印象を与える外部に対して、内部は色彩豊かなシークエンスが展開し、人々の活動があふれ出すような明るく居心地の良い魅力的な空間が広がっています。

 

(江田紳輔+八島健介(元スタッフ))

施設概要

場所
福島県二本松市
用途
水泳場
竣工年月
2017年3月
延べ面積
3,573㎡
構造
鉄筋コンクリート造一部鉄骨造一部木造
階数
地上2階

メディア掲載

  • 建築ジャーナル2017年10月号

受賞歴

2018年
日本建築学会東北支部 第38回 東北建築賞 作品賞