坂茂氏設計によるＪＲ女川駅前、プロムナードに隣接する東利恵氏設計のテナント型商業施設「シーパルピア女川」と同じ街区に建つ金融店舗です。東日本大震災で被災し、仮設店舗である「きぼうのかね商店街」で営業していた石巻信用金庫女川支店の復旧です。

切妻屋根の重なりでつくられた風景と、中庭をもち回遊性のある動線を継承すべく、屋根勾配・棟位置・平面寸法を可能な限り丁寧にトレースし、隣地からの通り抜けとひろばのような空地を設け、まち並みの形成に寄与しています。

通り抜けは「シーパルピア女川」を管理・運営する女川みらい創造 株式会社のご理解なくしては実現せず、ご協力いただきましたこと、心より感謝を申し上げます。

木無垢材の黒壁と対比した工場塗装品窯業系サイディングの白壁は、周辺に溶け込みながらも金融店舗としての存在感を醸しだし、風景に新たなアクセントを加えています。

（岩根　敦＋福島直人）