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SOP研修【江田・門脇・森】京都

  • 研修関連
  • 2022.12.12|門脇悠

SOP研修とは

2022年9月19日~22日の期間で温故知新と題して京都に赴きました。

京都を選んだ理由は弊社計画アドバイザーであり、現在は京都で活動されている杉山丞先生からの現地の便りに触発されたことにあります。江田・門脇で打合せに向かう移動中の車内、京都での様々な出会いに思いを膨らませ「よし、行くか」となりました。まさに「そうだ  京都、行こう」が動機です。若手メンバーの森を加え、3人で3泊4日の研修を行いました。

■京都の町並み
京都は碁盤目状の町並みになっており、全ての通りに「通り名」があります。交差する2つの通りを合体させて交差点の名前(例:烏丸通り(南北)+丸田町通り(東西)=烏丸丸田町)が構成され、南北の通りを優先に名前が付きます。

方向は分かりやすいのですが、自分が今どこにいるか戸惑いやすく、迷子になりそうな場面もちらほら…それも旅の楽しみと感じました。

現地では杉山先生にご案内いただき、上記のような街並みや京都の建築事情について教えていただきました。

■京都の建築
実際に訪れた建築についてご紹介します。

◯京セラ美術館
「保存と運用」をキーワードに改修された美術館です。既存の建物を活かしながら新たな軸線を通すなどの操作が加えられました。重厚な既存美術館と地下部分に現れたガラスのファサードの対比は、万人を受け入れる懐の広さを感じさせつつ、一種の緊張感も演出しています。内部についても既存を魅せるエリアと新しい表情の部分の対比がなされており、建築家が言うところの多重露光された記憶による壁の一端を感じました。

◯虎屋京都店
紙面で見てから一度は生で見てみたいと思っていた建築です。素材と構造の組み合わせ、その表情の見せ方に敬服してしまいます。長い時を刻んできた植栽からなる庭が中心となって、繊細かつダイナミックな架構による無柱空間から外部へ緩やかに繋がります。設計者はこの空間を新旧の要素が入り交じる新たなる様相と解説していました。今回の研修テーマである温故知新の解を感じたような気がします。街の喧騒から一歩離れた別世界でいただく甘味はまさに格別の味でした。

◯ラコリーナ近江八幡
こちらも以前より必ず訪れたいと決めていた場所です。風景を背負う建築や草屋根、独創的でユーモラスなディティールなどなど、至る頃に藤森節を感じます。たくさんの人で賑わっており、年齢や性別に関係なく心躍る楽しい空間でした。私は藤森建築を訪れた際、気分の高揚とは別に安心感を覚えることが多いです。はじめて来たのに何故か帰ってきたと感じてしまう…そんなパワーを感じます。氏がルーツとして語ることの多い、縄文にヒントがあるのかもと妄想していました。

壁を触り、土に潜り、草に戯れ…全身で「野蛮ギャルド」を堪能しました。

◯鴨川デルタ
建築ではありませんが、最重要目的地の一つだった場所です。なんと言っても素晴らしいのは清らかな親水空間と様々な活動を許容する空気感です。ダンスの練習をしている学生の横で体操をしている若者やジョギングを楽しむご高齢の方、ギターの練習に勤しむ人や部活帰りに遊ぶ高校生など、みんなが思い思いに過ごしています。変に意識するわけでもなく、かといって無視するでもなく…少しだけ自分の領域に取り込む・受け入れるといった空気感がとても豊かだと感じました。

その他訪れた建築
エースホテル京都/ロームシアター京都/佐川美術館/鳩居堂/角屋/清水寺/東福寺/光明院/京都御所/龍安寺石庭/下賀茂神社
いずれも大変勉強になるものばかりでした。

■旅の思い出
3人での旅行は山あり谷あり、笑い有りで涙は無しのとても良い時間でした。最後は旅の写真で締めくくりたいと思います。