東松島市火葬場が竣工しました。
2018.09.30
2016年の基本設計開始から約2年半、無事竣工しました。
この建物に関係されたすべての方々に深く感謝致します。
地域に愛され、市民の皆さまにとってかけがえのない場所になることを期待します。
どうもありがとうございました。
竣工した建物をご紹介します。
車寄せと正面入り口
杉板の軒天による大きな車寄せと水平ラインが印象的なRCの軒下空間が会葬者を迎え入れます。
風除室
東松島市産の天然石「野蒜石(のびるいし)」によるエントランスです。今は採掘されていない貴重な凝灰岩です。ここにしかない、美しい壁ができました。
エントランスホール
左側が「お別れ室(告別・収骨)」、右側が「待合室」です。杉板を型枠にしたRC打放しの壁が両者の空間を区分し、結界の役割を果たしています。
お別れ室
告別と収骨を行うための空間です。東北では「お別れ室型」の葬送形式を採用している火葬場はまだ例がないと思われます。一炉一室型のため、お別れから収骨までを遺族だけで行える個別性の高いスペースであり、故人との最後の時間を心ゆくまで過ごすことができる点に特徴があります。
待合ロビー・待合室
告別のあと、収骨までの時間を過ごす空間です。エントランス・お別れ室の雰囲気とは対照的に「安らぎ」を感じられる空間を目指しています。東松島の山々の景観と空への視線の抜けを意識した配置と開口計画としました。
お帰り口
儀式を終えた会葬者の方々は、入口とは別の「お帰り口」から退出します。
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完成に近づいています。
2018.08.25
工期がだんだんと近づいて来た現場では急ピッチで作業が進んでいます。
こちらはエントランスです。壁の素材は「野蒜石(のびるいし)」という東松島市産の石で、今は採掘されていない貴重な凝灰岩です。今回の計画では市民の方から紹介いただいた石屋さんがたまたま在庫品として保管していたものを使わせていただくことができました。
印象的で品があるとても良い表情のエントランスになりました。
エントランスホールです。
トップライトから落ちる光が、コンクリートの壁を印象的に照らします。
現場のスピード感に合わせて、内装の素材や色決めを行っている様子です。
8月の後半には外構工事も始まりました。植物が植えられると、施設全体の雰囲気がぐっと良くなるのがわかります。
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建物の表情が見えてきました。
2018.07.25
外装の吹付やタイル工事が終わり、足場が取れ始めました。
優しい表情の外観になりました。
こちらは待合室です。
内部では、建築工事だけでなく設備工事も並行して進んでいます。
エントランスホールです。右が入口で左が出口になります。
火葬炉機械室です。
将来の設備更新スペースを見込み、十分な広さを確保した計画です。
お別れ室です。「告別」と「収骨」を行う大切な部屋です。
印象的な光が上部の窓から落ちてくるような空間構成としています。
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建物に色が付き始めました。
2018.06.25
躯体が出来上がりこれから外装を仕上げていきます。
外装は建物の第一印象になるので、色や素材の選定には十分に気を使います。
特に色については、設計者だけではなく、施工者や行政の担当者、時には市民の意見まで幅広く集め、将来的な姿を見据えて総合的に判断します。
土壁調の塗料を塗っている様子。
タイルを貼りつけている様子。
こちらはエントランスホールです。
実際に出来上がった空間を見て、内装の計画を相談しています。
建物をつくるうえで設計時には気づかなかった点や、施工上どうしても設計通りにいかない点は必ずあります。そういう時は、設計の時よりも良い計画になるようみんなで知恵を絞り大胆に変更することもあります。
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躯体が出来上がりました。
2018.05.25
2階躯体のコンクリート打設が終わり、建物の形が見えてきました。
この火葬場の特徴のひとつはてっぺんの斜めになっている壁で、東松島市の観光名所である「嵯峨渓」をモチーフとしています。中には火葬炉設備が設置されていて、この大きな壁をどのようなデザインにするかが火葬場設計のポイントになります。今回の計画では落ち着いた表情のタイルを貼っていきます。
建物内部では、コンクリート型枠を外した場所から、断熱や内装工事を始めていきます。
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2階の躯体工事が進んでいます。
2018.04.25
3月中に2階床スラブ・屋根スラブのコンクリート打設が終わりました。引き続き2階の壁をつくっていきます。
屋根スラブのコンクリートはきれいに打ちあがっています。
これは「ハト小屋」という屋上に設けられる小さな小屋で、窓が付いたり、設備配管のダクトが通ったり色々な使い方ができます。
鳩小屋の屋根も金ゴテで仕上げていきます。
コンクリートの打設に備えて、念入りに検査を行っていきます。
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1階の躯体が出来上がってきました。
2018.03.25
2月中にスラブ1階躯体のコンクリート打設がほぼ終わりました。次は2階や屋根の躯体をつくっていきます。
手前に青く見えるものは断熱材です。外壁部分はこのように断熱することで、外気の影響をある程度一定に抑えます。
屋根スラブの配筋がされた状態です。
屋根スラブのコンクリートを打設している様子です。型枠ができない上部は、金ゴテや特殊な機械を使って表面を整えていきます。
1階躯体内部の様子です。コンクリートがきちんと固まるまで、このような金属の支柱(支保工)で躯体を支えておきます。
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柱・壁の配筋が始まります
2018.02.27
1月中にスラブ(床)のコンクリート打設が終わりました。次は柱・壁の配筋を始めていきます。
柱が傾いているように見えますが、これは設計通りです。配筋検査では①配筋の本数、②配筋の径(種類)、③配筋同士の間隔、④かぶり厚さ(最外部の鉄筋とコンクリート面の間隔)がきちんと取れているか、といった項目を検査します。
上の写真は壁の配筋の間隔がきちんと取れているかを確認している様子です。
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スラブ(床)の配筋が始まります
2018.01.27
昨年中に基礎・基礎梁のコンクリート打設が終わり、土の埋め戻しまで完了しました。次はスラブ(床)の配筋を進めていきます。
上の空撮写真はブルーシートのやぐらを組んだ様子です。作業箇所に雪がかからないようにすることと、流し込んだコンクリートが冷えすぎないように温度をある程度一定に保つ役割があります。(コンクリートの温度が低いときちんと固まりません)今年は大雪が何度かあったため、現場は苦労しています。
やぐらの中の様子です。スラブ(床)の配筋がきちんとされているか検査をしています。
配筋が設計通りであることを確認しコンクリートを打設します。
透明なビニールの管の中はジェットバーナーの暖気で満たされており、これによりコンクリート温度の低下を防ぎます。
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コンクリートの打設が始まります
2017.12.31
型枠を組んだ後再び配筋検査を行い、いよいよコンクリートを打設します。
こちらはコンクリート受入検査の様子です。
設計通りの品質のコンクリートがきちんと現場に届けられているか、さまざまな検査を行い確認します。
検査に合格したコンクリートは、ポンプ車を使って型枠の中に流し込まれます。
既定の強度が出るまで、適切な養生を施します。
コンクリートの強度が確認できたら型枠を外し、土の埋め戻しを行います。
今後は1Fスラブ、その次は1F躯体の順で進んでいきます。
写真提供:仙建工業株式会社
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基礎工事が始まります
2017.11.30
根切工事が完了し、建物基礎をつくる準備ができました。
地盤が軟弱な箇所には表層改良による地盤改良を行っています。
表層改良とは、支持層が浅い位置にある場合に行われる地盤改良工法で、軟弱地盤にセメント等の固化材を散布してバックホウにより混合・撹拌を行い改良地盤をつくります。
強固な地盤をつくり、その上に建物基礎・基礎梁の配筋をしていきます。
建物基礎・基礎梁の配筋が組みあがりました。
写真は組みあがった配筋の検査を行っている様子です。
基礎は建物の重量を地盤に伝える重要な場所なので、特に念入りにチェックします。
チェックにより設計内容通りに配筋されていることを確認し、その後コンクリートを打設します。
写真提供:仙建工業株式会社
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安全祈願祭
2017.10.31
10月5日「東松島市火葬場」の安全祈願祭が執り行われ、東松島市長をはじめ関係者約30名が参加しました。晴天に恵まれ、滞りなく式典を終えることができました。
新火葬場は、周辺自然環境との調和と安らぎを感じる「送りの空間」を目指します。また、東北では例のない「お別れ室」による葬送空間を採用している点に特徴があります。2017年秋の完成まで、関係者と協力し合い、よい建物となるようしっかり監理していきたいと思います。
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制作メモ:カスタム分類「tax_projects」各一覧ページ