プロジェクト

クマSUNテラス(大熊町大野駅西商業施設)

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ランダムな片流れ屋根が織りなす地域の憩いの場

福島県大熊町は、2011年3月の原発事故発生後、町全体が警戒区域に指定され全町避難となった町です。その後、町役場の整備を皮切りに、今回計画地周辺のJR大野駅前を含むエリアが避難指示解除となり、産業と生活の場をつくるエリアと位置付けられました。

震災前のJR大野駅周辺は商店街や町役場、住宅などが立ち並ぶ町の中心でしたが震災後は解体され原風景は失われつつありました。そこで、本整備においては復興拠点として再出発する町の風景として、かつての原風景(商店街のにぎわい)を片流れ屋根の分節・ランダム配置によって表現しました。

敷地が北から南に約2.5%の緩い勾配で傾斜していたため、建物を分棟化し、勾配に沿って配置することでバリアフリーに配慮したほか、内部には飲食店や物販、ラウンジが入るため、軒の出を大きくし、足元にはウッドデッキを外周可能な限りぐるりと巡らせ、寄り付きやすい空間を目指しました。開口部には木複合サッシを採用し、内部に木材の温かみを持たせつつ、サッシ外周に設置された暖簾は各店舗の個性を表出し視覚的なにぎわいを生んでいます。

構造は軽量鉄骨造のプレハブ工法を応用したもので、プロポーザル・設計・竣工までをわずか2年足らずで、早急な復興拠点整備を実現しています。

震災から今年で14年経ちましたが、福島の復興は道半ば、町に戻る人や新たに移り住む人など形は多種多様です。その受け皿として本施設が町の復興拠点・憩いの場となることを願っております。

岩根敦+本間亜門(関・空間設計)吉田祐二+南野友子+奥浩(清水建設)

施設概要

場所
福島県双葉郡大熊町下野上字大野116番6
用途
コンビニ・ラウンジ・飲食店・物販・管理事務所
竣工年月
2025年3月
延べ面積
1,648.71㎡
構造
軽量S造
階数
地上1階

メディア掲載

  • 新建築2025年6月号

受賞歴