美里町立美里中学校
多様な【コモンズ】が重なり合う地域の学校
本中学校は、3つの既存中学校を統合してつくられた美里町唯一の中学校です。施設整備だけでなく、施設の維持管理、地域のまちづくり支援が一体となったPFI方式によって実現しました。敷地は、鉄道交通の要である小牛田駅から東に広がる新興住宅地の際にあり、周囲には「大崎耕土」と呼ばれる水田の風景が広がり、その背には山々が連なります。これらの風景と呼応しつつ、美里町のコンパクトなまちづくりを促進する、地域に開かれた学校づくりを目指しました。
施設の設計は「教室は大きな家・学校は小さなまち」をコンセプトに、家のような居心地の良さと、まちのようなオープンなコミュニティの場が、1つの建築の中で同居したような構成としています。普通教室・特別教室・給食室・アリーナ・武道場・プールなど、学校の各機能を全て合築とし、各室の連携利用、見る・見られる関係、主体的・協働的な学びが生まれることを想定した令和の新しい学校のかたちです。
学校の中心には図書室があり、それを取り囲むように各特別教室と教科ひろばを配置することで、偶発的な出会いや発見を生み、各授業を超えた教科横断的な学びの場:【教科コモンズ】を創出しました。
普通教室エリアは、3クラスごとのまとまり:【学年コモンズ】をつくり、各クラスを超えた一体感・帰属意識が生まれるような計画としました。また、学校は生徒のためだけでなく、多様な地域の人びとに利用してもらうことを想定し、アリーナ・みさとホール・武道場・地域連携室・まちライブラリーを一体的に配置した【地域コモンズ】を設けています。
三浦高史+富樫遼太
施設概要
- 場所
- 宮城県美里町
- 用途
- 中学校
- 竣工年月
- 2025年2月
- 延べ面積
- 10,156.69㎡
- 構造
- RC造一部S造
- 階数
- 地上4階