新しい期を迎えて
私たち(株)関・空間設計は、1996年9月に前身の(株)岡設計仙台支店が分社・独立し、2025年10月1日から31期がスタートしました。2026年10月には創立30周年を迎えることになります。改めてこれまでお世話になった皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
前期1年の社会の主な出来事としては、2024年11月に米大統領選挙でトランプ氏が圧勝し今年の1月大統領に就任しました。その後はご承知の通り世界中で関税の嵐が吹き荒れ、多くの国々が今なお朝令暮改の施策に戦々恐々としています。4月に大阪・関西万博が開幕、8月は気温・日数ともに記録的な猛暑、9月には石破政権退陣と続きました。気候変動・国際紛争・世界情勢の不安定化と、益々不確実性が確実に増していると実感する1年でした。一方東北では2025年8月に国家プロジェクトともいえる秋田沖での風力発電事業がとん挫しました。昨年のPSMCの大衡村からの撤退に続き、地域経済のみならず東北全体にとっても大きな打撃となりました。
このような状況下で迎えた30期は、2名の新取締役を加え取締役5人体制の2年目でした。昨今の物価高対策として2回目となるベースアップの検討・実施、そして組織の在り方や経営状況を可視化することで社内での共有を進めて参りました。
30期も数多くのことに取り組んできました。チャレンジした主なプロポーザルとしては、(仙台市)西公園屋内遊び場基本計画策定支援業務と(宮城県)七ヶ宿町学校施設新築基本計画・基本設計です。運よく2つのプロジェクトとも選定され、地域の方々と一緒に計画を進めています。その他にも民間プロジェクトのご相談や支援要望を沢山いただいております。また、働き方改革ではこれまでの男性育休制度の活用実績を踏まえて、今期はさらに本格的な長期男性育休を実施するための準備を始めています。さらに、これまで実施してきたインターン学生の受け入れ、スタッフの出張講座、大学での会社説明会等の広報活動等についても、その情報発信の方法を多様化することで、私たちの活動や組織をより深く理解し興味を持ってもらえるよう工夫して参ります。
代表就任直後に手にした本に、アメリカの起業家が人材採用に際して重要視している3つのキーワードの話がありました。その3つは 1.内発的動機付け 2.問題解決能力 3.不確実性への耐性 で、機会があるたびに社内で伝えてきました。少しずつ個々で意識されはじめ胎動を感じています。これらの状況を踏まえて、今期は「全体は個の総和を超える」という考え方を意識して組織づくりを進めていきたいと考えています。「多様性の科学(マシュー・サイド著)」という本で目にした言葉です。個の能力の足し算ではなく、刺激しあえる関係から生まれる付加的な相乗効果によって、全体が個の総和を超える。そのような組織を目指したいと考えています。
東北に根差した建築設計事務所として、これからも社員一同、私たちの理念であるSOP(Spirit Of Place)を大切にし、それぞれのWell-beingを思い描きながら皆様のご期待に応えます。
31期を迎えた(株)関・空間設計を引き続きよろしくお願い申し上げます。
2025年10月1日 代表取締役社長 木皿 泉
新しい期を迎えて
私たち(株)関・空間設計は、1996年9月末に(株)岡設計仙台支店が分社・独立してから2023年10月で28年目に入り、29期がスタートしました。
新しい期を迎え、改めてこれまでお世話になった皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。
昨年末から、新型コロナウィルスの感染状況を注視しながらではありますが、少しずつ対面での会合やイベントが開催され始めました。弊社でも昨年12月に「感謝の集い」を開催しました。3年ぶりに日ごろお世話になっている協力会社の皆様や岡設計及び関・空間設計のOB・OGの方々にお会いして、直接感謝の意を伝えることが出来ました。また、年明けの1月には仙台市と仙台商工会議所による賀詞交換会「新年のつどい」が、やはり3年ぶりに開催されました。その後、本年5月には5類感染症に移行し、観光客も徐々に増加し始めるなどポストコロナに向けた社会の動きも活発になってきました。
このような状況の中で、前期はプロポ―ザルやPFI等の多くの提案型業務、特に教育施設や道の駅を中心に、高い評価を得ることができました。とりわけ首都圏における道の駅PFIプロジェクトは、今後の広範で多様な業務展開のきっかけにしたいと考えております。
一方社内では、これまで進めてきた新しい働き方を実践しながら、日経アーキテクチュア(2023年9月14日号)でも取り上げられた新入社員の教育プログラムの改革、環境デザインチームの始動、大学院での学業と業務を両立するための環境整備など多岐にわたる改革が進行中です。
世界は、気候変動による自然災害の多発、未だに収束を見ないコロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻の先行きの不透明化、食料・エネルギー危機・人材不足による物価高騰、米中の対立など、どこに焦点を当て、何を大切にすべきか不透明な状況が続きそうです。
このような時代だからこそ、私たちに求められるのは、「期待を超えた価値の提案」であると考えています。この実現のため、私たちを取り巻く環境や価値観の変化への柔軟な姿勢と、これまでに皆様と一緒に築いてきた信頼関係の深化に努めます。地域に根差した建築設計事務所として、これからも社員一同、私たちの理念であるSOP(Spirit Of Place)を大切にし、心身の健康に留意して皆様のご期待に応えます。
引き続き29期を迎えた(株)関・空間設計をよろしくお願い申し上げます。
2023年10月1日 代表取締役社長 木皿 泉